名もなき司書官について ―簡単なプロフィール―

プロフィール

古代ローマライブラリーをご利用いただき、ありがとうございます。
当図書館の管理をする名もなき司書官@bcalligraphusと申します。

図書館に一歩でも脚を踏み入れていただいたということは、あなたは古代ローマについて、少なくとも歴史について少しでも関心がありますよね。

いまでこそ古代ローマについて調べ、ご覧いただくために古代ローマライブラリーを運営している私ですが、もともとは歴史、ましてや古代ローマに興味を持っているわけではありませんでした。

歴史とは縁がなかった子供時代

昔の私は、本をあまり読まない子どもでした。
歴史の本はもとより、偉人伝など漫画でも読んだことがなかった。

どちらかというと将棋をしたり、テレビゲームをしたりすることが多かったと記憶しています。
テレビゲームの中でも特に好きだったのが、ロールプレイングゲーム(RPG)とよばれる主人公になりきって世界を冒険する物語。
RPGを始めると、1日何時間でもテレビの前に座ってゲームをすることができました。

歴史を好きになったきっかけ

そんな私が歴史に興味を持ったきっかけは2つあります。

  1. 三国志好きの叔父さん
  2. 歴史もののテレビゲーム
  3. 中世ヨーロッパを題材としたファンタジー小説

三国志好きの叔父さん

私が中学生の頃でしょうか。
その当時、合うたびに三国志の話をする叔父さんがいました。

といっても、内容は横山光輝さんの漫画『三国志』です。
会社の近所にある喫茶店に全巻揃っているとかで、読んだ内容を逐一報告されました。
劉備、関羽、張飛、曹操、呂布、孫権、諸葛亮……。

いまなら少しうっとうしいかもしれませんが、私はその話を聞くと、ワクワクしていたのを覚えています。
また、これがきっかけで横山光輝漫画『三国志』はもとより、吉川英治さんの小説『三国志』、さらには西周や東周、春秋戦国時代、秦から楚漢の攻防など、中国古代史を題材とした小説や読み物を色々と読み漁りました。

歴史もののテレビゲーム

もしあなたがテレビゲーム好きなら、1度は見たことがある某歴史シミュレーションゲーム会社のゲーム。
『信長の○望』や『三○志』など、天下統一型のゲームをやり込みました。

でも私が国盗り以上に好きだったのは、武将たちの人物列伝を読み漁ること。
特に能力の高い武将が出てくると、

この人ってどんなことをした人なんだろう

と興味がわき、歴史的な活躍を何回も見直しました。

中世ヨーロッパを題材としたファンタジー小説

小学生時代は、少年漫画を読むことはあっても、小説などを読まなかった私。
でもテレビゲームの影響か、その頃徐々に文庫で見かけるようになった、いわゆる『中世ヨーロッパファンタジーもの』をよく読みました。

いまなら歴史を題材にとっているとはいえ、現代の趣向に合うよう肉付けし、表現されたものだとわかります。
しかし当時は

中世ってこんな世界だったんだなぁ

と、漠然と思っていました。
お恥ずかしいかぎりですが。

古代ローマとの最悪の出会い

ここまで読んでくださったあなたなら、もうお気づきですね。
いままで古代ローマの「ロ」の字も出てこない人生です(笑)。

私が初めて古代ローマに出会ったのは、高校に入ってから。
といっても、これがまたどうしようもない出会いでして。

私の通っていた高校は、必ずどこかの部に所属しなければならなかったのです。
しかし当時遊ぶことを優先したい私は、時間の拘束される運動部に所属したくなかった。

そこで時間が確保できそうな部をさがしたところ、ありました歴史研究部
まあ基本的に歴史を研究する、という名目で、遊び呆けておりました。

で、年に一度の文化祭が近づいてきた時、あろうことかそのテーマが『古代ローマ』だったんです!
ここで全力で調査し、研究成果をバッチリ発表して、古代ローマに興味をもつことができました!
ならよかったのですが、現実は遊びたい一心での活動だったで、教科書に書いてある程度の内容をさらっと発表しただけ。

こんな適当な発表なので、当然興味のかけらも湧くことなく終了です。
おまけに歴史研究部の部長(女子)を(あまりにもいい加減な取り組みで)泣かせる始末。
ほんと今思えば古代ローマと当時の部長に失礼なことをしました……。

古代ローマにハマるきっかけ

ロードス島攻防記の衝撃

こんな不真面目な私がローマにハマるきっかけは何だったのか。
それは一冊の本との出会いでした。

タイトルは『ロードス島攻防記』。
著者は塩野七生先生。
むかし読んでたファンタジー小説に、タイトルが似てただけで手にとったって、口が裂けても言えません。

塩野七生先生の著作をはじめて読んだときの衝撃は忘れられません。
簡潔な文章なのに、読者を引き込む魅力があり、登場人物に奥行きがある。
すぐに地中海三部作の他の二冊、『コンスタンティノープルの陥落』『レパントの海戦』を買って、これも一気に読みました。

思えば塩野七生先生との出会いが、本格的な西欧の歴史に向き合う入り口だったのかもしれません。
そして彼女の著作を色々と探していた私は、再び古代ローマと十数年ぶりの邂逅を果たすのでした。

大著、ローマ人の物語

おそらく私の中で、高校時代の古代ローマ(と部長)に対する苦い思い出がくすぶっていたのでしょう。
塩野七生先生が古代ローマを題材にした歴史書、『ローマ人の物語』を刊行していると知るや本屋さんに突っ走り、出たての文庫本をすべて買いました。

本を読むのが得意ではないので、おかたい歴史書ではすぐに眠くなってしまう私。
しかしローマ人の物語は違います。

塩野七生節はそのままに、簡潔な文章だけど飽きさせない構成、ときにシニカルな表現を織り交ぜてくすっと笑わせてくれる。
それ以上に彼女が描く人物がいきいきとしていて、躍動が感じられるのです。

私はローマ人の物語のことを、

恋する歴史書

と勝手に銘打ってます。
だって、登場人物に対する塩野先生の好き嫌いがものすごくわかりやすいですから。
英雄たちにはとことん甘い(笑)。

彼女の人物評に賛同するか否かは別として、ぐっと感情の入った文章は、引き込まれる要素の一つです。
間違いなくこの本で、私の中の古代ローマへの扉が一気に開かれました。

古代ローマの魅力をもっと知っていただくために

私は塩野七生先生によって、古代ローマの面白さや奥深さを知る入り口に立つことができました。
と同時に、私は古代ローマについて、まだ何も知らないという絶望も感じています。

だから、古代ローマをもっと知りたい。
それと同時に昔の私のような人に、教えられなかった歴史を、古代ローマのことをもっと知ってほしい。
そう思うようになりした。

ローマ人の物語の中にある、私の大好きな一節を紹介します。

(中略)そして、それを書く私が楽しんで書いているのだから、読むあなたも愉しんで読む権利は充分にある。高校時代の教科書ではないのだ。

ローマ人の物語2 ハンニバル戦記

結果だけを追い、点をとるための歴史ではなく、知的好奇心を満たしてくれる、愉しむための歴史。

私は愉しむことを共有したくて、このブログを開設しました。
副題は上記の一節を意訳した、「教科書では教えてくれない大人のための古代ローマ史」。

「大人のための」とは、

テストの点数なんて全く記にする必要がない、純粋に知ることを楽しもう

という意図からつけたものです。

だからこのブログでは、

  • なるべくわかりやすく
  • 学校で習った歴史に魅力を感じられなかった人のために

歴史の愉しさを共に味わえることを目的としています。

もしあなたが、私のように歴史に興味を持ち、古代ローマをもっと知りたいと思えるようになれば、望外の喜びです。
また古代ローマ縁の地を訪れた時に、あなたの好奇心が少しでもうずくようになれば、とても嬉しく思います。

以上、長々と読んでくださり、ありがとうございました!


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